THE KEIO MEDICAL SCIENCE PRIZE
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Jeffrey M. Friedman

第14回慶應医学賞受賞者

Jeffrey M. Friedman

米国ロックフェラー大学教授
米国ハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート研究員
1954年7月20日生まれ
* ウェブサイト (ロックフェラー大学)

授賞研究テーマ :

レプチンの発見とその生理作用の解明

肥満およびそれに関連するメタボリックシンドロームは現在世界的に最も重要な疾患のひとつです。しかしFriedman博士のレプチンの発見以前には、体重を制御する生物学的システムの詳細はほとんど知られていませんでした。1994年Friedman博士は食欲と脂肪組織形成を制御するホルモン、レプチンを発見しました。Friedman博士はその後レプチン受容体も発見し、このレプチンーレプチン受容体システムが摂食とエネルギー消費のバランスに中心的な役割を果たすことを明らかにしました。レプチンは脂肪組織によってつくられ、栄養情報を中枢に伝えその結果食欲が抑制されます。彼のグループはまた多くの肥満患者では血中レプチン濃度が高いにもかかわらずレプチン応答性を失っているために食欲が抑制されないことを示しました。レプチンの発見は脂肪細胞から分泌されるホルモン(アディポカイン)の研究や食欲やエネルギー消費、脂肪形成にかかわる他の遺伝子の研究も刺激し、この分野の研究を飛躍的に発展させました。さらにレプチンは、現在脂肪委縮性糖尿病の治療薬としての有効性が証明されています。このようにFriedman博士の研究はエネルギー代謝研究分野のエポックメイキングであり、肥満や肥満関連疾患の治療法の開発にも貢献するものと期待されます。

略歴

1980年〜1981年

Postgraduate Fellow
Cornell University Medical College, Department of Gastroenterology, U.S.A.

1980年〜1981年

Postgraduate Fellow
The Rockefeller University, U.S.A.

1981年〜1983年

Associate Physician
The Rockefeller University, U.S.A.

1986年〜1991年

Assistant Professor
The Rockefeller University, U.S.A.

1986年〜1992年

Assistant Investigator
Howard Hughes Medical Institute, U.S.A.

1992年〜1996年

Associate Investigator
Howard Hughes Medical Institute, U.S.A.

1991年〜1995年

Associate Professor
The Rockefeller University, U.S.A.

1995年〜現在

Director
Starr Center for Human Genetics, U.S.A.

1995年〜現在

Professor
The Rockefeller University, U.S.A.

1996年〜現在

Investigator
Howard Hughes Medical Institute, U.S.A.

1998年〜現在

Marilyn M. Simpson Professorship

(2009年9月現在)
寒川賢治

第14回慶應医学賞受賞者

寒川賢治

国立循環器病センター研究所
所長
1948年8月22日生まれ
* ウェブサイト (国立循環器病センター研究所)

授賞研究テーマ :

グレリンを中心とする新規生理活性ペプチドの発見と臨床への応用

成長ホルモン(GH)の分泌は、これまで視床下部ホルモンによって制御されていると考えられていましたが,GHS受容体(GHS-R)と呼ばれるオーファン受容体を介した機序が存在することが示され、その内因性リガンドの探索が世界中の多くのグループにより行われました。これまで、ヒト心臓および脳からのナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP,CNP)をはじめ,40を超える生理活性ペプチドを発見されてきた寒川博士らは,独自の手法を用いてGHS-Rに特異的な内在性リガンドを世界に先駆け胃組織から精製、構造決定することに成功しました。この新規リガンドはアミノ酸28個からなり、3番目のセリン残基が脂肪酸(n-オクタン酸)でアシル化修飾された特徴的な構造のペプチドで,グレリンと名付けられました。グレリンは強力なGH分泌促進活性を有し、3番目セリンの脂肪酸修飾はその活性発現に必須でした。寒川博士らによるグレリンの発見により、これまで消化器官と考えられていた胃がエネルギー代謝や成長に関与する内分泌器官でもあることが明らかになりました。また,グレリンが強力な摂食促進作用を持つことも明らかとなり,現在,拒食症の治療薬として臨床試験段階にあります。寒川博士らの発見したANPやBNPは治療薬や診断薬としてすでに臨床現場で使用されており,基礎医学と臨床医学を融合する実学的な分野で先導的な活躍をされています。

略歴

1976年

大阪大学大学院理学研究科
博士課程修了(理学博士)

1977年

宮崎医科大学医学部助手(第二生化学)

1990年

宮崎医科大学医学部助教授
(第二生化学)

1993年〜2005年3月

国立循環器病センター研究所
生化学部 部長

1996年〜現在

京都大学大学院医学研究科教授(併任)

2001年〜2006年11月

京都大学医学部探索医療センター教授(併任)

2005年〜2007年3月

国立循環器病センター研究所 副所長

2005年〜2007年3月

国立循環器病センター研究所
先進医工学センター長(併任)

2007年〜現在

国立循環器病センター 研究所長

(2009年9月現在)

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