慶應義塾医学振興基金2025
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9   心 不 全・虚 血 性 心 疾 患などの循 環 器 疾 患は高 齢 化 社 会においてその罹 患数は増 加 傾 向にあります。本 講 座では、循 環 器 疾 患の病 的 変 化を新 規の解 析手 法 でとらえ、健 康 寿 命 延 伸を目指した 病 態 解 明・治 療 開 発を実 行しています。特に、従 来の医 学 生 物 学 研 究の手 法に加えて、複 雑な生 体 内を可 視 化するような生 物 情 報 学 や、また人 工 知 能を用いた画 像 解 析などを組 み 合わ せた領 域 横 断 的な研 究 開 発を実 行しています 。細 胞・組 織レベルでの病 的 状 態をA I 画 像 解 析 、あるいは単 一 細 胞レベルでの 時 空 間 的 解 析など 様々な手 法を用いて可 視 化し、新 規の治 療 開 発に繋げていきたいと考えています。  本 講 座 では、細 胞 膜を越えて情 報を伝える仕 組 みの 研 究に注 力します 。特に、薬 の 標 的となるG 蛋 白 質 共 役 受 容 体( G P C R )に着目し、その 立 体 構 造と働きを明らかにすることを目指します 。クライオ電 子 顕 微 鏡 法は蛋 白 質 の 立 体構 造を迅 速に決 定できる技 術であり、シグナル分 子や薬 が 受 容 体にどのように作 用するか 可 視 化できます 。また、次 世 代シーケンサーを活 用することで、これまで見 つからなかった物 質と受 容 体 の 相 互 作 用を発 見し、その 関 係を構 造と機 能の両 面から解 明する新しい研 究にも取り組みます。学 および 生 命 科 学 関 連 分 野 における研 究・教 育を推 進します 。有力な若 手 研 究 者 の 育 成を目的とする「 新 咸 臨 丸プロジェクト」のもと、2 0 2 5 年 4 月から、多 様な研 究を推 進 する5 名 の「 独 立 准 教 授 」がそれぞれ 主 宰 する5 つの 講 座( 研 究 室 )を設けています 。 楠 本   大志 甫 谷 渉分 子 生 物 情 報 医 学 講 座シグナル探 求 学 講 座 准 教 授准 教 授坂口光洋記念講座   医 学 部 および 医 学 研 究 科に「 坂 口 光 洋 記 念 講 座 」を設 置し、医

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